雨のち晴れに恵まれた古典芸能 体験事業 「梨花薪能」


雨のち晴れに恵まれた古典芸能体験事業
「梨花薪能」
令和2年10月31日(土)とりぎん文化会館 中庭 特設能舞台で開催された10数年ぶりの薪能は、多くの関係者の願いを天が聞き届け、前日の時々雨から打って変わって日本晴に恵まれた。前日、出来上がった特設能舞台はブルーシートで覆われ、地元出演者のリハーサルは梨花ホ―ル大舞台で行われた。当日、第1部地元愛好者の舞囃子(まいばやし)「高砂(たかさご)」、「実(さね)盛(もり)」、「巻絹(まきぎぬ)」、「須磨(すま)源氏(げんじ)」、連吟(れんぎん)「頼(より)正(まさ)」、「隅(すみ)田川(だがわ)」「黒塚(くろづか)」の頃は強風で、袴(はかま)や謡本(うたいぼん)がめくれるほどであった。 第2部の始まりに、新型コロナウイルス感染の収束を祈り、能楽師うち揃い能「翁(おきな)」の詞章「神歌(かみうた)」がサプライズで吟(ぎん)ぜられた。 狂言「寝(ね)音曲(おんぎょく)」で観客を笑いでほぐし、いよいよ能「小鍛冶(こかじ)」の頃は篝(かがり)火(び)が闇に立ち登り、皷(つづみ)が背後の会館の巨大なガラス壁
に木霊(こだま)し、白装束の霊(れい)狐(こ)が怪(あや)しくも勇壮に舞い街(まち)中(なか)の庭という空間を忘れさせる不思議な幽玄の世界に暫(しば)し浸(ひた)った。(鳥取県能楽連合会会長 近藤 光)
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