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第49回鳥取県民短歌大会【 結果発表 】

今大会はコロナの影響で大会自体は中止となりましたが、県内から応募いただきました作品に
つきましては、厳正な審査の上受賞作品を発表いたします。受賞された方々大変おめでとうございます。

【一般作品】

Iターンしたる若者蕎麦の花を咲かせて郷に一歩踏み出す 大山町 表   いさお 鳥取県知事賞
たらちねの母にかけゐる吾が声は音とし耳に届きたるらし 米子市 佐 伯 立 子 鳥取県議会議長賞
中学生が空気を入れに来るだけの小田自転車店は今日も開いている 米子市 勝 部 良 子 鳥取県教育長賞
因州和紙に魅かれて集う仲間らと山折り谷折り向日葵咲かす 鳥取市 世 古 早 苗 倉吉市長賞
身罷りし友の最後のメールには「またね」と笑う犬が手を振る 米子市 湯 浅 俊 久 倉吉市議会議長賞
食べるたべる年の差九十十二人わたしの作った西瓜をたべる 鳥取市 福 政 満寿美 倉吉市教育長賞
櫛見せてはにかんでいた滋さん還らぬ娘の父のまま逝く 鳥取市 日下部 恵 子 新日本海新聞社賞
三冊の十年日記読み返す夫の好みしモカを飲みつつ 倉吉市 三 好 和 恵 歌人会賞
叔父の名を刻みし「平和の礎」あり沖縄慰霊の日の番組に 米子市 米 山 ちはる 歌人会賞
海色の袋をゆらし五歳の子ふりかえり又その母を見る  湯梨浜町 関 本 悦 子 歌人会賞
緊急事態宣言出る日打吹の夜桜照らすスーパームーン   倉吉市 中 井 孝 子 歌人会賞
長崎の生月島に四百年唱はるオラショのこゑ重々し   琴浦町 井 木 範 子 歌人会賞
下ろされて畳の上に三つ打つ柱に五十年掛かりいし時計 倉吉市 谷 本 邦 子 入選
炎天にかぼちゃ地を這い母白き服を着ていし終戦の日よ 北栄町 桑 田 のり代 入選
美術館出づると秋の日やわらかに街路樹つつむここも絵のなか    鳥取市 牛 尾 可奈子 入選
黒土の畑に沁みゆく雨音に耳澄ましをり傘をたたみて        鳥取市 森 田 敦 子 入選
絵本読み手遊戯せんと児らに向くフェイスシールドすっぽり被り     境港市 澁 谷 博 子 入選


【小・中・高作品】

静寂のフリースローは跳ね上がりまっすぐ落ちて沸き立つ歓声     岸本中学校 二年   生駒 七星  鳥取県知事賞
よしいくぞペダルふみこみすすむみちせみのなきごえみみにしながら 中ノ郷小学校一年  竹田 翔美  鳥取県議会議長賞
大山の天空リフト目の前に光かがやく海が広がる        岸本中学校  二年  長谷川 虹実 鳥取県教育長賞
コンクール中止になって演奏会母に聞かせたユーフォの音色 湖東中学校 一年  玉江 きらり  倉吉市長賞
スタート台目標さだめ強くけり大きくかいた一かき一かき        中ノ郷小学校五年   西村 結芽 倉吉市議会議長賞
友達の思いを聞いて社会の目ばっか気にしていることに気付く 中ノ郷中学校二年  川島 颯太 倉吉市教育長賞
新曲でロングトーンがつらすぎてかおがまっかな吹奏楽部        福生中学校二年  矢田貝心々和 新日本海新聞社賞
夏祭り今年は家ですずっこだ妹まけずまねしておどる        中ノ郷小学校三年  木野 陽菜 県歌人会賞
ぬぎ捨てたくつ下二つのきょり感をながめていればはと時計鳴く 中ノ郷小学校六年  森田 結菜 県歌人会賞
おじさんのけっこん式の神社から水ぞく館にみんなで行った 西伯小学校三年   佐藤 陽花子 県歌人会賞
目が合うとうれしいはずが目をそらしもっと見たくてでも見れなくて 桜ヶ丘中学校三年  伊藤 千夏 県歌人会賞
年毎に祖母と行った墓参り切り花抱え今年は一人        日野高等学校三年  石井 美咲 県歌人会賞
ハムスターさわるとふわふわ気持ちいいまるくなったら大福みたい   岩倉小学校 四年   植田 ひなの 入選
弟が生まれて家ぞくがふえてからかわったものは新れいぞうこ 西伯小学校二年   松藤 果南 入選
はじめての野菜作りに挑戦だおいしくなあれ私のトマト        日吉津小学校六年   井原 茉望 入選
夏祭り人にまぎれて手をつなぎさあ始まりだドキドキサマー        桜ヶ丘中学校三年 山下 雅司 入選
リバウンドのパスをもらう「どこにパス?」コーチが言った「お前が行け」と  岸本中学校二年 勝中 菜花 入選


【一般の部 互選賞 】

中学生が空気を入れに来るだけの小田自転車店は今日も開いている 米子市 勝 部 良 子 25
Iターンしたる若者蕎麦の花を咲かせて郷に一歩踏み出す 大山町 表   いさお         24
教科書にきっと載るだろうコロナ禍は百年先のもっと先まで 鳥取市 野 島 綾 子         20
美術館出づると秋の日やわらかに街路樹つつむここも絵のなか 鳥取市 牛 尾 可奈子 19
食べるたべる年の差九十十二人わたしの作った西瓜をたべる 鳥取市 福 政 満寿美 18
海岸にたった一人の釣り人が律儀にマスクし竿振る五月 米子市 生 田 麻也子         17
合宿のキャンプファイヤーに星空を仰ぐふりして先輩見ていた 鳥取市 坂 本 恵 子 16
ベッドより抜け出て舅は亡き姑の盆提灯の明かりに眠る 鳥取市 服 部 範 子         16
画面越しに手を伸ばしくる一歳を抱けぬ淋しさコロナ禍の盆 鳥取市 萩 原 美 雪 16
はつなつのシロツメクサを王冠にあみて差し出す遅刻せし子は 琴浦町 中 本 久美子 16
洗ふ手に指輪ほろりと落ちてくるこの冬を越す力が欲しい 米子市 福 井 歳 子        15
つぎはぎの心に縫った赤い糸ぷっつり切れて曼珠沙華咲く 三朝町 長 岡 陽 子        15
櫛見せてはにかんでいた滋さん還らぬ娘の父のまま逝く 鳥取市 日下部 恵 子        15
因州和紙に魅かれて集う仲間らと山折り谷折り向日葵咲かす 鳥取市 世 古 早 苗 14
からつぽの虫籠並べ空みる児盆が来るから帰してあげた 鳥取市 房 安 栄 子        14
居間に置く扇風機仕舞えば人ひとり居なくなりたる淋しさ残る 境港市 片 桐 広 恵 14
空蝉の会と称してぬけがらが五人集ひて終活語る 鳥取市 町   宗 江        12
中干しの田の足あとに集まれる豊年エビを井手に放てり 米子市 橋 本 愼 一        12
金田川に蛍の舞えば今年また逢瀬のように水辺へ向かう 南部町 生 田 延 子        11
たまさかに目覚のおそき朝なればひそと寝顔を妻はうかがう 三朝町 神 原 泰 弘 11
薫風に乗りて連凧昇りゆくコロナ退散の文字はためかせ 大山町 荒 井 玲 子        11
コンビニの前で子犬を抱き上げる若き僧侶の白いジーパン 八頭町 滝 田 倫 子        10
はじめての線香花火におどおどと二歳児は振り向き母の手さがす 鳥取市 前 田 絹 枝 10

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